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授業の行い方について気付いたこと

ここのところ、いくつかの中学・高校で授業を見させてもらう機会も多く、また学生たちの模擬授業を見ることもあるため、授業の行い方について気付いたことを記す。もちろん、これらは私自身が完璧に行えていることではない。しかし、目標としていることではある。

1)ストレートな表現を用いること。
たとえば、「これがダメだったらコケちゃうよ」だと、どういう意味なのか伝わらないことがある。発話内容を字面そのままで受け取る場合があるため、一斉授業の際には「この小テストの点数が〇〇だと単位がとれません」などと、明確に表現する必要がある。

2)「嫌み」は用いないこと。
「あー、良く頑張ってるねぇ」というような言い方でたしなめることも、字面通りに受け取られ、混乱を招く場合もある。

3)今日やる内容を黒板に示すこと。
私の場合、黒板の左側にセクションを設け、今日やる内容を箇条書きで記している。これは特に、「見通しが立てられないタイプ」の生徒がいる場合には極めて重要である。また、これができるためには、事前に教師自身が、どの内容を行うとどのくらい時間がかかるのか、かなり正確に把握している必要がある。

4)プリントはなるべく簡潔に作成すること。
大学で授業を行う場合には、目一杯記入することもあるのでそれは私の反省点であるが、フォントなども気を遣った方が良い。文字を詰めすぎると、「視覚情報を上手く処理できない」タイプの生徒がいた場合、「単にグチャグチャなもの」として見えていることがありうる。また、プリントの整理をすることが不得意であるために学業成績が不振になるパターンも存在するため、事前にファイリング用の穴をあけておき、ページ数を振っておくなどができれば、さらに良いのであろう。

5)黒板消しを活用すること。
板書が横書きであるならば、綺麗に横に消して行けば、消し跡で罫線をひくことができる。そうすれば、ラインの乱れは最小限に食い止められる。たとえ字が美しくなくとも、横のラインが整っているだけで、生徒は読みやすく、見やすくなる。また、文字のミスを手で消すことは「手を抜いている」ように見えるため、行わない方が良いだろう。

6)チョークの色を活用すること。
色の識別に関しては、「緑/赤」の区別がつけられない場合があるため、なるべく赤は用いない方が無難ではある。そのため、黄色を用いることになるが、白いチョークと黄色いチョークの場合、筆圧が低い場合には区別がつきにくくなるため、なるべくはっきり、コントラストをつけられるようなチョークの用い方を訓練する必要がある。

7)声色を活用すること。
一定の音量、一定のリズムで淡々と続けた場合、リズムによる催眠効果が発動し、生徒は眠くなってしまう。声色の変化を用いると、音のモダリティが変化するため、生徒は「何が起こったんだ?」と、覚醒水準が上がることがある。私の場合には、授業中に1人4役まで行う「一人芝居」を入れるため、声色の変化は活用できるが、一人芝居が不得意な教師ももちろんいるだろう。たとえば、「雑談」を挟む効果は、実は音声のモダリティに変化があることも理由としてあげられる。雑談の最中は、声のトーンに変化が訪れる場合がある。また、「カクテルパーティ現象」を考慮すれば、生徒の関心のあるワードが入れば、その言葉に注意が引きつけられ、目が覚めることが考えられる。生徒の興味関心のあることに注意を向けておく必要があるのは、このためでもある。

8)区切りを明確にすること。
50分の授業を、淡々とぶっ通しで行うと、どこで区切れがあったのか、見えにくくなる。これは、曲の切れ目が分からないようにダンス音楽を作成しているようなもので、どれだけ派手なテクノ音楽であっても、眠くなる。私の場合、板書をしている間は「しゃべっていい時間」として設定しているが、何もそこまでやる必要はないかもしれない。単元が変わる部分、話題がはっきりと変化する部分では、何らかのアクセントを置くことは重要である。

9)黒板を向いてしゃべらないこと。
人間の脳は、唇の動きを見て、自動で音声に変換している。マクガーク効果(McGurk effect)というものがあるが、これはたとえば、口の形は「バ」で、聞こえる音声が「ガ」という合成動画を作成した場合、音声学的に中間の「ダ」に聞こえてしまう現象である。つまり、それほど視覚情報による音声認識は強力であるということになる。ということは、教師が黒板側を向いてしゃべることは、生徒側からは口の動きが見えないため、音声がくぐもってしまう以上に、認識が困難になる。

10)同音異義語を避けて発話すること。
日本語の場合、音声を聞き取った後、脳内で漢字に変換して内容を理解する。そのため、漢字に変換できない音声を聞くと、反応が鈍ることがある。生徒がどこまで漢字を用いることができるのかを良く考える必要がある。小学校で習う漢字は現在1006字であるが、中学・高校の授業であっても、せめてこの1006字で表わすことができる言葉に変換して、言い添える必要がある。しかしたとえば、数学において「相似」という言葉自体は、1006字に含まれてはいるものの、生徒によっては「掃除」と認識してしまい、意味がわからない、という場合もある。「大きさは違うけれど同じ形」と言えば、伝わる部分がある。もちろん、何度か対応させて行けば、「相似」の意味をインストールすることはできるので、徐々に言い添える回数を減らして行くことも重要ではある。

11)「板書→写す→しゃべる」という順番を大切にすること。
パワーポイントを用いた授業の場合等には当てはまらないが、少なくとも私は、パワーポイントが用いられる授業は「眠くなる」。まず、暗くなることが多いため、手元が見にくくなること、単純に暗いために眠くなることがあげられる。黒板に板書をすることによって、「見る(目)」「書く(手)」「聞く(耳)」という、複数の感覚モダリティを使用することで、脳内の多数の箇所を活性化させることができる。

12)授業の目的をはっきりと意識すること。
「学習指導要領に記載されているから、この単元を行う」では不十分である。もちろん、同内容の授業であったとしても、受け取る側によって、受け取る内容は異なる。しかし、少なくとも教師自身が、この内容を用いて何を伝えたいのか、はっきり意識しておく必要がある。それは「二次関数は受験に必ず出るから」というようなものではない。それでは、入試を突破する人数を上げるというビジネスの塾が行う思考パターンである。そうではなく、たとえば「二次関数を知ることによって、あるポイントから急激に数が増えて行くことが見えてくる。これを理解すると、金利というシステムがどれくらい無理があるものなのか、見えてくる。お金とはそもそも何だったのか。お金をもらうために仕事をする、それは重要である。しかし、本当に幸せであると感じるために、それほど莫大な金額が本当に必要なのかを考える必要が出て来たのであろう。そういったことを理解する際たとえば、二次関数の考え方を知っておくことは極めて重要である」というように、単元そのものではない、その奥にあるものを教師自身がとらえているかどうか、という部分が重要になってくるのであろう。

13)横書きで板書をする際、縦線を活用すること。
「半側空間無視」という脳障害がある。これは、脳の右半球を損傷した場合に、視野の左半分を「無視」してしまう、という現象である。しかし、見えている全体の左半分を「無視」するだけではない。たとえば、目の前にカレーがあったとして、その左側にある「ルー」を無視し、右側の「ごはん」だけを食べてしまう、ということが起こる。つまり、何らかの「もの」の中心を脳波自動で判別し、その左半分/右半分、という処理が行われているということになる。つまり、黒板に漫然と板書をして行くと、どこが中心点なのか、わかりにくく、理解が遅れる可能性が出てくる。そのため、横書きの場合、黒板を左側から順番に区切り、縦線を入れることは極めて重要になる。つまり、縦線で区切られた範囲が、一つの「もの」として認識され、中心点が発見される。

14)板書案を作成すること。
教科書を見ながら、その場の即興で板書を行うと、たとえば誤字などが出現する可能性が高まる。生徒の中には、正確に、美しいノートを作成することが重要である場合もあるため、誤字は避けなければならない(私は誤字が多いので、特に気をつける必要がある)。しかし、板書案を、ノートなどに予め作成しておくと、そういった心配は減る。また、黒板に自分が書く文字の大きさなども十分に把握し、板書そのものにどのくらい時間がかかるのかを知っておく必要がある。

15)時間を守ること。
開始時間と終了時間はとにかく守る必要がある。単純なことではあるが、極めて重要である。特に、時間が「延びる」ことは避ける。時間にこだわりのある生徒への対応も含め、教室移動などにも配慮する。そのためには、自分がどのくらいの速度でしゃべるとどのくらいの内容が伝えられるのか、かなり正確に把握しておく必要がある。

16)「えー」「まぁ」「あのー」などを極力減らすこと。
生徒によっては、「えー」「まぁ」などの数を数えてしまい、内容自体を聞くことができない場合がある。そうでなくとも、聞きづらいので、なるべく減らすよう、努力する。

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