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最終レポートについて

【最終レポートについて】

最終レポートの採点基準および注意点について記します。

1.授業内容を組み込めているか?(10点)

 たとえば、1回だけ授業を聞けば書けるような組み込み方ですと、点数は低くなってしまいます。様々なテーマをうまく自分なりに組み合わせ、「授業は聞いていたぜ!」というアピールとなるよう、工夫してみて下さい。なにせ、期末テストのかわりなのです。
 しかし、授業の内容を「まとめた」だけですと、これもまた点数が低くなります。
 オムニバス的に、授業内容を順番に書いて行っても、これも点数が低くなります。
 全体として1つのまとまりを持っている「作品」にならなければなりません。

2.自分の経験を書いているか?(10点)

 「体験」ではなく「経験」と書いているのは、理由があります。体験と経験の違いについては、森有正の定義を元としておりますので、辞書的定義とは異なることをあらかじめご了承ください。
 体験とは、「その出来事を通り過ぎれば、誰でも手に入れられるレベルのもの」です。たとえば、生徒会長をやったことがある。そういう人はたくさんいるでしょう。「生徒会長をやりました。人をまとめるのは大変でした」。これは、生徒会長体験です。「ディズニーランドに行きました。すごく大きくてびっくりしました」。これも、ディズニーランド体験です。
 それに対して、経験とは、「そのとき何を考え、何を感じ、何をしようとして、実際何をして、その結果が今の自分にどのように影響しているのかを把握し、それを何らかの方法で、他者に伝達できるもの」を指します。

〈生徒会長をやった際、副会長が自分の足をひっぱっている、そう感じていた。いろいろと注文をつけたが、彼は一向に直す気配はなく、むしろ私にたてついてきた。非常に腹が立った。しかし、今思い起こしてみると、実際の生徒会における仕事の大半は、副会長が実行していた。むしろ、私の方が足をひっぱっていた、と見えてしまう。なぜ、自分は、副会長が私の足をひっぱっていると感じていたのだろう。
 私は、副会長のことが、生理的に嫌いだった。見ているのもイヤだった。彼の方が成績は良く、女性にも人気があった。しかし、浮ついたこともせず、一人の彼女をずっと大切にしていた。私にはつきあっている人はいなかった。うらやましかった、ということはあるだろう。しかし、生徒会長として認められ、自分の方が上であると、私は信じていたかった。おそらく、自信がなかったのであろう。自己評価も低かったのであろう。彼にはそのすべてがばれていた。それを、認めたくなかった。今になればそう思う。〉

 ここまでくれば、「生徒会長経験」として認めましょう。つまり、起こった出来事を思いだし、咀嚼し、自分自身を深めてほしい、ということです。
 授業の内容を思い出し、その知識を「スコープ」として用いれば、過去のことでも見え方が変わります。ただの枯れ葉だった「体験」を、ちゃんと発酵させて、今のあなたの肥料としてください。糧としてください。その経過を、最終レポートに叩き込んでください。
 経験は、あなたの指紋です。他の誰かでは肩代わりできないものです。

3.自分の考えを書いているか?(10点)

 1、2にも書きましたが、自分の体験を経験にまでレベルアップさせるために、私の授業内容を使ってください。そのとき、授業内容そのままを「まとめる」という行為から離脱することができるでしょう。授業内容で得た知識は、道具です。それを使って、その上で、「稲垣が授業で言っていない内容」を書いてください。それが、あなたの「自分の考え」となります。
 たとえ、その考えが、かつて誰かが言ったことと同じであったとしても、それはいいのです。問題はそこではありません。体験を経験にまで高める中で、授業の知識を使い、自分なりに考えてそこまで到達したこと。それが重要です。このループを通ることでしか、人間の知性は成熟して行きません。

4.教育にからめて書いているか?(10点)

 残念ながら、この授業は「教職課程」に関わるものですので、教育に関連させて、考えを発展させてください。できれば、自分が学級担任になった場合にどうするのか、というシミュレーションが含まれていることが望ましいですが、場合によっては、部活の顧問、家庭教育などを題材としてもかまいません。しかし、いずれにしても、自分が担任になった場合、自分が顧問になった場合、自分が親になった場合など、「未来に関するシミュレーション」を含めるよう、努力してください。

5.もし、教育実習先の生徒の保護者がこのレポートを読んだとしたら、何点をつけるか?(10点)

 ガイダンス時に配布した、「文章の書き方」というプリントを熟読してください。これに準じていない場合、おどろくほど減点されます。この基準は、私が保護者目線で点数をつけるということです。基本的には、文章の作法が中心となります。

最後に

 いずれにしても、「なぁ、稲垣。俺はこういう体験をして、そのときにこんなことを考えて、こんなことをして、それをあんたの授業を聞いて振り返って、こんなことを見いだしたんだ。それで、こういう風に成長したんだよ。なぁ、これで伝わるか? 伝わらないのか? わかった。じゃぁ違う例を出す。どうだ? なんだよ、頼むよ! 理解してくれよ! 俺の言いたいことを、頼むから理解してくれよ!!」と、私の襟首をつかみ、ネクタイを引っ張って揺さぶるようなレポートに、私はうっかり高得点をつけます。
 いろいろ書いてきましたが、実際には、美しい文章かどうかなど、あまり関係はありません。熱を持っているレポートを望みます。
 子どもを、ひいては人を動かすとは、彼らを、ある意味で惚れさせるということです。そのためには、熱を持った言葉をつむぎだせなければ、どうにもなりません。それは、激しい言葉ではないかもしれません。当然、静かな熱を持った言葉もあります。みなさんの性質にあった「熱」を見つけてください。
 私がみなさんを、どこまで惚れさせることができているのか、それはわかりません。私とは相性が悪かった人もいるでしょう。ただ、私の授業を聞いて、何か感じたことがあるとすれば、それと同等か、あるいはそれ以上のものを、レポートにぶち込んでください。
 私ごとき、乗り越えていただかないことには、どうしようもないのです。子どもは正直です。私など、比較にならないほど、残酷です。

 最終レポートの採点基準は、超絶厳しいです。

 健闘を祈ります。

※1:「ネット上の文章」「他者のレポート」「過去の自分のレポート」「他授業に提出した自分のレポート」を「写した」ことが発覚した場合、剽窃とみなし、テストにおける不正行為と同等に扱います。

※2:内容と書式は以下の通り。
授業で扱ったテーマを用いて、3000字~5000字で、あなたの経験を交え、教育に関連づけて、あなたが考えたことを書きましょう。
A4 2~5枚 ワープロ・パソコン推奨
2枚以上の場合、左上をホチキスでとめること(とまっていないものは受け取りません)
1行目:自分でつけたタイトル
2行目:学籍番号、名前
3行目から本文

※3:得点基準は以下の通り。
10点:きわめて優れている
8点:平均より優れている
6点:平均的である
4点:平均より劣っている
2点:きわめて劣っている
0点:基準に関する内容が書かれていない
奇数点数の場合は、それぞれの中間

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